衣川晃弘大先生の見聞会講話集「21世紀を幸せに生きる」第12巻より
2020年(令和2年)4月19日 ベストグループ道央・道南一日研修 ③
お金は生きていくために必要です。私はお金のない家庭で育っていますから、お金を否定しません。社会的に少し余裕があれば十分だと思っています。
私は事業家時代、少しお金持ちになりました。しかし、お金をどれだけ得ても、物をどれだけ買っても、一つも満足しませんでした。お金持ちの方は、お金を持っても満足しないから「もっとお金を手に入れれば満足するだろう」と思い、もっとお金儲けをしようとします。
しかし、お金持ちになればなるほど「お金を無くすのではないだろうか」と不安にもなるのです。しかし、人生を懸けて得たものは、肉体が滅びた後は何も残らないのです。
私の愛する御方が人間の姿を持たれていた時に仰った言葉を、ご紹介させていただきます。
「現在の人間社会は苦しみに満ちています。生きることも苦しみ、老いも、病いも、死も苦しみと恐怖です。愛する者と別れることも苦しみです。嫌なことが起こることも苦しみです。得たものを無くすことも苦しみです。この世のことは、苦しみを全て生みます。」
「この人生の苦しみは、どうして起こるのでしょうか。全ては人間の心から生まれるのです。人間の苦しみをなくすには、どうすればなくなるのでしょう。考えなくてはいけないことは、まず第一に、私たちは人間として生まれてきたことは、何のためですか。」
人間の最大の敵は、自分の中にある恐怖心です。自分の中にある恐怖に打ち克(か)った方は、人生が素晴らしいものになるのです。自分の中にある恐怖に負けた方は、人生が恐怖に支配されるのです。
私の愛する御方は、「お前たちは、体が自分と思っているから、苦しんでいる。命が自分と分かった時に、苦しみから解放される。体が自分ではない、命が自分だということを日本に広めなさい」と仰いました。
私は四十九歳の四月にインドの愛する御方から使命を頂き、それから毎月一週間、インドへ五年間行き続け、努力させていただきました。その努力の結果、私は「体が自分ではない。命が自分だ」と分かり、苦しみから解放されました。
体は朽ち果てるものです。しかし、命は永遠不滅の存在です。命が体を支配した時に、何をやっても成功していくのです。
人生の真の成功者になるには、それだけの努力が必要なのです。何の努力もせずして、どうして成功するのでしょうか。たとえばスポーツでも、オリンピックに出場する選手は、相当の努力をされています。
何の努力もしない方が、オリンピックに出られるわけがないと思います。また、学業でもトップの成績を取る人は、陰で相当の努力をしているのです。努力もせずにトップになることはできません。
だから「努力に勝る天才はなし」と言うのではないですか。天が与えた才能とは、努力という意味です。だから私は、何の努力もしない人を育てる気持ちはありません。
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